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アトピー性皮膚炎

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アトピー性皮膚炎

皮膚がザラザラして痒みの出てくる疾患です。乾燥肌から皮膚に炎症が生じるようになって発症することが多いです。症状の出る場所や期間から診断します。適切な治療を行って早めに皮膚の状態を良くすることが大切です。お気軽にご相談ください。

よくある質問

Q1.原因はどのように考えられていますか?

皮膚炎の原因として3つの因子があると考えられます。皮膚の防御力低下、炎症、掻破です。皮膚の遺伝子異常による弱さがあって、アレルゲンや感染により炎症が起こり、掻く事で悪化します。

また、食物アレルギーによる皮膚炎症状があったり、皮膚から感作することで食物アレルギーを発症したり、この2疾患は関連が強いと考えられています。

Q2.どのような症状ですか?

痒みを伴う湿疹が左右対症な分布を示します。乳幼児では顔、学童では関節屈側に症状が目立ちます。湿疹はカサカサしたりぶつぶつしたり赤くなったりする状態で、6か月以上繰り返すときはアトピー性皮膚炎を考えます。

Q3.治療はどのようにしますか?

治療の中心はステロイド外用薬です。当科でよく処方するステロイド軟こうは、強い順に、デルモベート®(Ⅰ群)、マイザー®(Ⅱ群)、ボアラ®(Ⅲ群)、リドメックス®、アルメタ®、ロコイド®(Ⅳ群)となります。アトピーは前述のように掻く事で悪化して難治化しますので、早期に適切なステロイド軟こうを塗って改善させてあげることが大切です。

1週間程度の治療で改善しない場合は他の原因が無いか、塗る量は適切か、などを評価します。痒みを抑えるのに抗アレルギー薬を内服することもあります。症状がとても強い場合は、湿布や包帯で覆ったり、ステロイド内服を行うこともあります。

Q4.ステロイドというと危険な印象がありますが?

ステロイドは長期の多量内服では様々な副作用がありますが、現在使われている外用薬で副作用に悩むことはまずありません。炎症を抑える良い薬は他にありませんので、唯一の治療といって良いでしょう。私も自分や子どもたちによく塗っています。

どうしても他の薬が良いという場合の選択枝としては、免疫抑制剤の軟膏がありますが、適応は限られています。漢方薬は人によっては良く効くので処方することもあります。あとはスキンケアの指導やステロイド以外の軟膏を組み合わせて使います。

Q5.予防できますか?

皮膚が乾燥したり、感染したり、汚れたりすることが増悪因子です。これらを防ぐため、保湿剤によるスキンケア、皮膚炎に対する抗菌薬などの治療、清潔に保つこと、が大切です。保湿剤としてはヒルドイドソフト®がよく使われます。

Q6.軟こうはどれくらい塗ったら良いのでしょう?

保湿剤やステロイドは塗る量が少なすぎると効果がありませんので、FTU (Finger Tip Unit) という概念で塗る量を指導しています。大人の人さし指の第一関節に乗る量を、両手に相当する面積に塗ります。

Q7.薬をやめるとすぐに悪化してしまいます。

スキンケアをしっかり継続することが大切です。それでも乳幼児や重症のアトピーの方は皮膚炎を繰り返します。皮膚炎がつづくと皮膚が厚く硬くなっていきますので、症状が出始めたらしっかり軟こうを塗るようにしましょう。長期に薬を塗るのに抵抗がある場合は、頻度を決めてだんだん減らすとうまくいくこともあります。ご相談ください。