赤ちゃんは生まれたときにお母さんから免疫の力をプレゼントされています。そのおかげで4-5か月までは風邪をひいたり熱を出したりしにくいです。6か月頃には免疫の力はだいぶ弱まってしまいますが、自分の体が免疫能をつけ始めます。ご兄弟や家族と触れ合い、保育園などで集団生活をおくることで様々なウィルスや細菌にさらされながら免疫をつけていきます。免疫がつくことで、次に同じ病原菌にあったときに症状を出さずに抑え込むことができるようになります。
その過程の中で発熱(37.5度以上)をすることがありますが、月齢により注意点があります。
原則として入院して原因を調べることになります。病原菌によっては急激に症状が悪化することがあるからです。気温が高いと影響を受けることもあるので、元気があるなら涼しいところで熱を測り直し、37.5℃以上あれば必ず受診しましょう。
昔は原則として入院でしたが、検査法の進歩や普及により、全身状態が良ければ検査をして判断することができるようになりました。当院でも院内の血液検査が15分ほどで結果が出るので、検査値をみてから入院や治療を検討しています。
この月齢は風邪もよくひきますし、熱を繰り返す子もいると思います。もし保育園などに通いはじめればさらにたくさんの病原菌にさらされますので、感染するのはよくあることです。ウィルスの感染は一般的に自分の免疫の力で治すものですが、体力・免疫力を温存するためにも内服治療をふくめたケアを早めにしてあげましょう。3日以上熱が続くときやぐったりした感じがあれば抗生物質などが必要かもしれません。必ず医療機関を受診しましょう。
1歳前後に多いのが突発性発疹という病気です。40度近い高熱が3-5日つづいて、解熱するとほぼ同時期に胸、背中、顔などに赤い大きめの発疹が出ます。発疹が出るまでは他の病気と区別がつきにくいですが、風邪症状がなく、咽喉だけに所見があると疑います。下痢や熱性けいれんを伴うことがありますので注意しましょう。
体幹部(胸や腹、背中)を中心に、赤くて平坦な発疹(紅斑)がパラパラと出てきます。点々だったりまだら状だったりします。
解熱してから出現するのが特徴です。機嫌の悪さは続く事もあります。発疹は痒くなく、3-4日で消えていきます。