
小児科
お子さまの病気は全て大人と同じというわけではありません。
小児科の対象は、乳児・幼児・学童と幅広く、年齢に応じた症状と病気の種類が多いことが特徴です。
特にお子さまが乳幼児の場合には、保護者皆さまの不安も大きいことと思います。
お子さまの状態を適切に診察し、分かりやすい説明と丁寧な対応を心掛け、
保護者皆さまの不安を取り除けるようスタッフ一同努めてまいります。
診療への疑問や質問がございましたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。
※ 保護者の方も症状があれば一緒に診察できますのでお伝えください。
生まれたばかりの赤ちゃんは成長するにつれてお母さんからもらった病気に対する免疫がだんだんなくなってきます。
こどもは感染症にかかると重い病気となることもありますので、
病気にかかる前にワクチンを接種して病気に対する抵抗力をつけることが大切です。
ワクチンを接種して、しっかりお子さまを感染症から守りましょう。
ワクチンはたくさんありますが、接種する年齢も違えば回数も違うので、
適切なタイミングで適切な回数接種する必要があります。
どの組み合わせでも同時に接種はできます。同時接種の利点は、早くに免疫をつけられ、
受診の手間が少なく済み、スケジュールも立てやすいです。
欠点として副作用が起きたときに原因がどのワクチンかわからない可能性がありますが、
副作用が増えたり、効果が落ちることはありません。
不活化ワクチンを接種した後は、他のワクチンは翌日でも接種できます。(1週間という制限は2020年から無くなりました)
生ワクチンを接種した後に他のワクチンを接種する場合は、次も生ワクチンであれば27日以上あけましょう。
生ワクチンとしては、MR、水痘、おたふく、BCGがあります。
次のワクチンが不活化ワクチンであれば間隔を空ける必要はありません。
当院での相談は随時受け付けています。
当院の予約システム(ドクターキューブ)はワクチン歴を登録していただくと
予約する時点で接種可能なワクチンだけが表示されるようになっています。ご活用ください。
母子手帳に記録を残しますので、なるべくお持ちください。
公費で行える予防接種については予診票が届いていると思います。
こちらに記載して当院までお持ちください。
東京都内に在住であれば当院にて無料で受けられます。
診察券や乳児医療証もお持ちでしたらなるべくご持参いただきたくお願いいたします。
赤ちゃんにとって予防接種(ワクチン接種)は重要な保険となります。その病原体に感染しにくくし、重症化を防いでくれます。
予防接種のある疾患は、重篤になったり後遺症が残ったりしやすいような疾患が中心です。かかってからでは意味がありません、適応年齢(月齢)になったらすぐに接種するようにしましょう。
ロタウィルスワクチンのように早期でないと補償がないワクチンもありますし、髄膜炎や結核は小さな子では特に重篤化しやすいです。
専用の時間を設け、別の待合室や隔離室を使うことで、他の感染症をもらわない環境づくりをしています。接種する順番や副反応への対応、スケジューリングなど、医師・スタッフともに豊富な経験を活かしてしっかりと対応いたします。
また、当院ではなるべく痛みを感じないように、接種の痕や副反応が残りにくいように、と工夫して注射しております。なるべく小児科での接種をお勧めします。
北区はもちろん、板橋区など23区内にお住まいの方は、各自治体から送付された接種券をご持参いただければ当院で接種できます。接種券が届いていない、もしくは紛失した場合は、保健所や役所にご相談ください。任意接種(有料の予防接種)については、接種券は不要です。いずれもインターネットかお電話であらかじめご予約いただくとスムーズです。
生後2か月から開始。3週から8週間隔で3回接種します。
7か月以上後に4回目を追加接種して完了です。
5歳未満は公費負担(無料)です。
乳幼児期に髄膜炎や喉頭蓋炎など重症感染症を起こす菌です。
これらの疾患は命に関わることや後遺症を残すこともある重篤な疾患です。
ヒブとはHemophilus Influenzae typeBの略称です。インフルエンザ菌の中でもb型の感染を予防します。
これが主な原因菌の一つだった小児の髄膜炎は、ヒブの定期接種のおかげでとても少なくなりました。
生後2か月から開始。3から8週間隔で3回接種します。
2か月以上後、標準的には1歳から1歳半に4回目を接種して完了です。
5歳未満は公費(無料)です。
乳幼児期に敗血症や髄膜炎を起こします。
肺炎や中耳炎の原因菌としても多いです。ワクチンは主に前者を防ぐ目的で行われています。
肺炎球菌は90種類以上の型があります。
当初は7つの型に対応するものでしたがワクチンに含まれない型が流行するようになったため2013年からは13の型に増えました。
これで肺炎球菌による重い感染の7割を予防できるようになりました。
生後2か月から接種できます。
初回から4週以上あけて2回目、さらに20-24週あけて3回目が標準的な方法です。
代表的な肝炎を起こすウィルスです。感染がつづくと慢性肝炎、肝硬変や肝がんになることもあります。
血液や体液から感染します。血液だけでなく唾液などからも感染するので保育園などのこども同士でも感染の可能性があります。
数少ないがんを予防できるワクチンです。接種をお薦めします。
母がB型肝炎に罹っている赤ちゃんには公費で接種できます。
2種類のワクチンがありますが、効果や副作用に明らかな差はありません。
ロタリックス(1価)は生後24週までに2回、ロタテック(5価値)は生後32週までに3回、生ワクチンを飲みます。
初回は14週までに始めて、4週以上あけます。
ロタウィルスは乳児の胃腸炎を起こす代表的なウィルスです。
嘔吐がひどく水分がとれなくなると脱水になり重篤な状態になります。
小さい子ほど入院して点滴する必要性が高くなります。胃腸炎関連けいれんや脳炎を合併することもあります。
ワクチンの副作用でまれに腸重積を起こすといわれており(10万人に1人程度)、まれではありますが注意喚起しています。
その影響もあり、早期(生後14週6日まで)に開始しないと補償対象ではなくなってしまいます。
2種類のワクチンがありますが、効果や副作用に明らかな差はありません。
回数は異なっており、ロタリックス®は2回、ロタテック®は3回、いずれも4週間間隔で内用します。
生後3か月から開始。3週から8週間隔で3回接種します。
6か月以上後、標準的には1年から1年6か月後に4回目を追加します。
7歳6か月までに完了するようにしましょう。
4種とは、ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオを指します。ジフテリアとポリオは国内での感染はほとんどありませんが過去には重症者が出ていました。百日咳は乳児では重症の咳や呼吸困難で命に関わることもあります。
破傷風は怪我をした傷口から菌が入り、痙攣や麻痺をきたす死亡率の高い疾患です。
以前は3種混合でしたが、ポリオが入って4種になりました。
今後も同時期に接種できるものは組み合わせて5種混合、6種混合となっていくはずです。
けがをして、傷口が汚れていた時は破傷風トキソイドという注射をすることがあります。
4種混合の効果は10年近くつづくといわれますが、けがをしたときは担当医の判断で破傷風のみ追加接種することもあります。
1歳までに接種します。ヒブ、肺炎球菌、4種混合の接種がひと段落する生後5か月以降に接種することが多いです。
結核を予防します。結核は成人では肺結核の長引く咳や熱が有名ですが、
乳児では全身に結核菌がめぐって髄膜炎や粟粒結核という致死的な疾患を起こします。
皮下注射ではなく、スタンプ式で2回押し当てます。
成人の肺結核には効果を期待できません、あくまでも小児期の重症結核感染を防ぐためのワクチンです。
結核感染者の少ない米国などでは接種していません。
1歳から2歳に初回接種をします。2期は小学校入学前の1年間に行います。
麻疹は発熱、発疹から肺炎や脳炎などの合併症をきたす疾患で、非常に強い感染力があります。
風疹は‘3日はしか’とも呼ばれた発熱、発疹をきたす疾患で、妊婦が感染すると赤ちゃんに重篤な障害が出る可能性があります。
日本は2015年にWHOから麻疹排除状態にあると認可されました。
国内での発症はほぼ無いということです。ただし海外では流行もありますし、
輸入されてきたときに予防接種をしていないと皆がかかるようになるので、当分予防接種はつづきます。
1歳から3歳までに2回接種をします。2回目は初回から3か月以上、標準的には6か月から1年あけます。
みずぼうそうとも呼ばれるウィルス感染です。全身に水疱疹が多発し、
重篤な状態にいたることもあります。帯状疱疹も同じウィルスが原因で発症します。
2014年から定期接種になりました。2回接種をしても罹ってしまうことはありますが、症状がとても軽く済みます。
水痘は麻疹や結核と同様に空気で感染が広がる、とても感染力の強い疾患です。
同世代の集団に入っていく前に予防接種をしておくのが良いでしょう。
生後6か月から7歳半まで接種可能です。標準的には3歳で2回(1から4週間隔)、
その後に6か月以上あけて4歳頃に1回接種します。9から12歳に第2期の接種を追加します。
蚊が媒介する日本脳炎ウィルスの感染で、急性脳炎を引き起こします。
半数程度の方が後遺症を残す、治療法のない重篤な疾患です。
日本での発症はきわめて稀ですが、東南アジアなどで流行があります。
温かい地域でウィルスをもったブタを刺した蚊が、ヒトを刺して感染させます。
日本でもブタや蚊にこのウィルスをもった個体は観察されていますので、予防接種は大切です。
11歳以上13歳未満に1回接種します。
4種混合に入っているジフテリアと破傷風について追加接種します。
4種混合で説明したように破傷風は怪我をして感染することがあり、追加しておくのが安心です。
百日咳も成人での流行がときどきあるため、いずれは加わるかもしれません。
小学校6年生から高校1年生相当の方が公費(接種券があれば無料)で接種できます。
他の年齢でも特例で接種券を入手できることがありますので、自治体にご確認ください。
子宮頸がんを予防するワクチンです。
子宮頸がんは2023年現在、日本では年に1万人ほどが発症し3千人近くが亡くなっている、30-40代の女性に多いがんです。
3種類のワクチンがありますが、最も効果が高いのは2023年に認可された9価ワクチン(シルガード9®)です。
1回目が15歳未満に接種できれば、6か月後に2回目を接種して終了。
15歳以上ではじめると、2か月後、6か月後に接種する3回方式になります。
(15歳未満でも3回方式を希望することはできますが、効果に大きな差は無いようです)
筋肉注射ですが、痛みの強い注射であり対象年齢も思春期のため、
接種直後の起立性低血圧や翌日以降の筋肉痛、ストレス反応などが出ることがあります。
その症状が激しい症例があり2021年までの積極的勧奨の差し控えになっていました。
ワクチンの成分や後遺症とは直接の関係のない反応であることが名古屋スタディーなどによって明らかになり、日本でも他の先進国と同様のスケジュールで勧奨されるようになっています。
1歳から接種できます。MRワクチンと同様に1歳頃と5-6歳の2回接種が薦められています。
ムンプスウィルスの感染で、発熱や耳下腺(耳の下にあるだ液腺)の腫れが特徴です。
頭痛をきたす髄膜炎や難聴や精巣炎など重い合併症もあります。
3-6歳で流行しやすいので保育園などに入る前に接種しましょう。
東京都北区では3,500円の公費負担があります。
6か月以上から接種できます。12歳までは免疫がつきづらいため、1回目の接種から2~4週間程度の期間をあけて、2回接種が推奨されています。
当院では、例年10月から1月末まで接種しております。
北区内にお住まいの高齢者の方は接接種費用の補助券をお持ちください。
6か月以上から接種できます。北区のホームページまたはコールセンターからご予約ください。
0120-801-222 北区外の方は事前に手続きが必要となります。
他に一般的に日本で行われている、高齢者肺炎球菌ワクチン、
帯状疱疹不活化ワクチンなどの公費補助のあるワクチンにも対応しております。
海外で流行があるものは、渡航に際して必要になることがあります。
代表的なものとしてA型肝炎、黄熱、狂犬病、髄膜炎菌などがあります。
また、医療施設で実習や勤務の予定のある方のおたふくやB型肝炎に対する抗体価検査および予防接種や、
妊娠の可能性のある女性やその周囲の方の風疹抗体価検査、ワクチン接種の公費事業にも対応しております。お問い合わせください。
ご相談は当院(03-6454-3511)にご連絡ください。
公費負担など政策に関わることはお住まいの地域の役所にご相談ください。
北区であれば王子健康相談係(03-3908-9087)、板橋区であれば健康福祉センター、
板橋区保健所(03-3579-2318)などにお願いします。
乳幼児健診は、こどもの健全な発育を確認し病気の早期発見と予防を行うことを目的としています。
東京都内に在住の方 | 6~7か月健診 9~10か月健診 |
---|---|
北区に在住の方 | 6~7か月健診 9~10か月健診 1歳半健診(当院では、1歳半健診の際に視力スクリーニングの検査を同時に行っております。) |
※ そのほかの年齢について健診をご希望の場合は自費診療で承ります
(1か月健診から5歳児健診まで対応します)
診察券・予診表・母子健康手帳など
小児期に発症するアレルギーは、赤ちゃんの乳児湿疹にはじまり、離乳食を開始するころからは食物アレルギーやアトピー性皮膚炎がみられるようになります。
生後6か月ころではゼーゼー・ヒューヒューを反復する喘鳴(ぜいめい)や、2歳前後の幼児期には気管支喘息が出現することもあります。
小学校入学のころからは、アレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎などが増加してきます。
アレルギー疾患は原因物質となるアレルゲンを正確に特定することが第一歩です。それぞれの疾患を、検査や臨床症状に基づいて正しく診断し、
適切なケアと治療を行うことで、現在かかっている疾患の悪化を抑えることができ、さらには新たなアレルギーの発症予防にもつながります。
お子さまとご家族に寄り添い、ご負担を軽減できるよう診療を進めていきます。お子さまのアレルギーが心配の方やお悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。